- 支部の機関誌
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令和8年3月26日に、新潟県行政書士会館において、新潟県行政書士会、日本行政書士政治連盟新潟県支部主催「改正行政書士法要点解説セミナー」が開催されました。
本セミナーは、令和8年1月1日に施行された改正行政書士法の内容を正確に理解し、今後の実務対応および制度発展に資することを目的として実施されたものです。
当日は、小宮淳新潟県行政書士会会長による開会挨拶の後、宮本重則日本行政書士会連合会会長、常住豊日本行政書士政治連盟会長、さらに関谷一和日本行政書士会連合会デジタル推進本部長による講演が行われ、多角的な視点から法改正の意義と今後の課題が示されました。
まず、宮本重則日本行政書士会連合会会長による「強い行政書士制度を創るために」と題する講演では、行政書士制度の将来像として「かかりつけ行政書士」の全国標準化が掲げられました。
これは、地域住民や事業者にとって、最も身近な法律専門職として、継続的に相談・依頼される存在となることを目指すもので、今回の法改正は、その基盤強化の一環であると位置付けられました。
次に、常住豊日本行政書士政治連盟会長による「デジタル社会に機能する行政書士法の改正」と題する講演では、改正に至るまでの経緯と政治的背景が詳細に説明されました。
特に、コロナ禍における各種給付金申請やマイナンバーカード代理申請支援、災害復興支援などを通じて、行政書士の社会的役割が再認識されたことが、法改正の大きな契機となりました。
また、法改正に当たり、デジタル庁や内閣府との協定締結など、関係省庁との連携強化も、重要な要素でした。
さらに、法改正成立までには、議員連盟や他士業団体との調整、衆議院法制局との協議、各党内手続など多くの課題がありましたが、関係者の尽力により、実現に至ったことが強調されました。
続く、関谷一和日本行政書士会連合会デジタル推進本部長による講演では、改正法の具体的内容と実務への影響について解説がなされました。
主な改正点としては、①行政書士の「使命」の明確化、②デジタル対応を含む職責規定の新設、③特定行政書士の業務範囲の拡大、④業務独占規定の明確化などが挙げられました。
特に、重要なのは、デジタル社会への対応が、法的に位置付けられた点です。
これにより、行政書士は単なる書類作成の専門家にとどまらず、オンライン申請や電子行政手続を支える中核的存在としての役割を担うことが期待されています。
また、特定行政書士については、不服申立て代理の対象範囲が拡大され、従来よりも幅広い案件に関与できるようになりました。
これにより、紛争性のある事案への対応力が、一層求められることとなりました。
さらに、行政書士に求められる能力として、①オンライン手続への習熟、②制度全体を俯瞰する理解力、③デジタル行政手続の統合的把握、④課題発見・提言能力、⑤他士業との関係理解、⑥サイバーセキュリティ対応能力などが提示されました。
これらは、今後の行政書士業務の高度化・専門化に不可欠な要素です。
本セミナーを通じて明らかとなったのは、今回の法改正が単なる制度改正にとどまらず、行政書士の存在価値そのものを再定義するものであるという点です。
すなわち、行政書士は「国民と行政をつなぐ専門職」として、デジタル時代における新たな社会的役割を担うことが求められています。
今後は、本改正法を実務にどのように落とし込み、国民の利便性向上および権利利益の実現にどのように寄与していくかが重要な課題となります。
また、さらなる法改正も視野に入れつつ、継続的な制度発展に取り組む必要があります。
以上のとおり、本セミナーでは、改正行政書士法の理解を深めるとともに、今後の行政書士の在り方を考える上で極めて有意義な機会となりました。
今後も会員一人ひとりが本改正の趣旨を踏まえ、実務能力の向上と社会的信頼の確立に努めていくことが期待されます。


